「クオリティ・オブ・ライフ(QOL)」は、一般的に生活や社会活動における質を表し、人生にどれだけ幸福感を感じているのかという指標のことを指します。仕事にどれだけやりがいを感じているか、心身ともに健康な状況にあるか、人間関係は良好であるかなどがその算出基準になります。
しかし、これが最も重要視されるのは医療面に関してでしょう。医療が科学的な発展を遂げている途上にあっては疾患を治療することのみが追求され、心身に多大な負担をかける苛烈な治療が行われた後の障害については度外視されてきました。しかし、高齢化などと相まって、治療後の生活の質の維持が重視されるようになってきました。
医療面において治療後一定のクオリティ・オブ・ライフを維持するためには、とにかくインフォームド・コンセントが重要です。治療後もしっかりと健全な生活と社会活動を行っていくことを考慮した上で、自分にどのような治療が行われるのかを理解した上で治療方法の取捨選択を行う必要があります。特に女性は疾患によってクオリティ・オブ・ライフを損ないやすいと言われています。例えば脱毛症や尿漏れなどは、何歳になっても女性にとって許容できるものではありません。また、女性には更年期障害という著しい生活の質を低下させる大問題が待ち構えています。こうしたQOL疾患に負けないためにも、しっかりと自分の置かれた状況を把握した上で、これからも社会の中で生きていくということを前提とした選択を心がけなければなりません。