医療現場では、どうしても効率の良い医療サービスを優先しがちです。多くの患者への治療を行っている病院では、限られた条件の中で医療サービスを提供していかなければなりません。その結果として、医療従事者本位の治療を行ってしまうことが懸念されています。
患者の意思を無視してしまっていては、医療従事者として適切ではありません。こうした反省を含めて、「クオリティ・オブ・ライフ」という考え方が、医療の分野では広まりつつあります。この考え方は、これから医療の仕事に関わることになる看護師の初心者も、詳しく理解しておくべき知識です。
クオリティ・オブ・ライフは、人が人間らしく自分らしい生き方ができる質のことです。医療分野においても、患者の側に立って、質向上を心がけなければなりません。単に治療を行うというだけでなく患者が人間らしく生きるための治療を行う事です。こうした概念は、客観的な数値からは判断ができないものです。そのため、クオリティ・オブ・ライフに詳しい専門家からの意見は聞いておいた方がいいでしょう。専門家は、患者へのケアの質向上について、役立つノウハウを持っています。専門家の講演会やセミナーに参加したり、あるいは医療機関の職場で講演会が開かれることもあります。
特に患者と接する機会が多くある看護師にとって、生活の質と医療に関する経験や知識の重要性は非常に高いです。表面だけではなく、一人一人の内面にまで寄り添ったケアをすることがなによりも大切なことです。本当のケアを提供するためにも、クオリティ・オブ・ライフを学ぶことをオススメします。